📝 編集部より

自分が隠していたのに、夫にも隠し事があった——41歳あやのさんが語る、責める資格を失った側から見た不倫発覚の記録です。

📋 この記事の結論

  • 自分も婚外恋愛をしている最中に、夫の不倫が発覚した体験談
  • 怒りより先に「責める資格がない」という感覚が来たという
  • お互いの事実を突き合わせた結果、夫婦は離婚ではなく再構築を選んだ

👤 この体験談の語り手

  • 名前:あやの(仮名)
  • 年齢:41歳・女性
  • 職業:パート(医療事務)
  • 家族構成:夫・子ども2人(中2・小5)
  • 婚外恋愛歴:1年2ヶ月(現在は終了)

「知ったとき、泣くより先に「ああ、おあいこか」と思ってしまった自分が怖かった。」

私にも、言えない関係があった

夫の不倫に気づいたのは、去年の秋でした。そのとき私自身、別の人と1年以上関係を続けていました。

きっかけは些細なことです。夫のスマホが食卓に置きっぱなしになっていて、通知が光った。名前は女性で、時間は夜の11時過ぎ。内容までは見えませんでしたが、「あ」と思いました。

普通なら、心臓が跳ねて、問い詰めて、泣くところなんだと思います。でも私が最初に感じたのは、そういうものではありませんでした。

怒りより先に来たのは「おあいこ」という感覚

頭に浮かんだのは、「私も同じことをしている」という事実でした。

怒る資格がない。責める言葉を口にした瞬間、自分に跳ね返ってくる。そう思ったら、感情がどこにも行けなくなりました。

その夜、私は何も言いませんでした。いつも通り洗い物をして、子どもたちを寝かせて、布団に入って天井を見ていました。夫は隣でいびきをかいていて、その普通さがかえって現実味を消していきました。

今思えば、あのとき泣けなかったのが一番つらかったのかもしれません。裏切られた妻としてまっすぐ悲しむことすら、私には許されていない気がしていました。

2週間、何も言えないまま観察していた

それから2週間ほど、私は夫を見ていました。

帰宅時間、スマホの置き方、休日の予定。自分がやっていることをそのまま夫がやっているのが、鏡を見ているようで気味が悪かったです。隠す側の癖は、隠す側にしか分からない。夫の不自然さは、私には手に取るように見えました。

同時に、こうも思いました。私の不自然さも、夫には見えていたんじゃないか。お互いに気づいていて、お互いに触れないでいるだけなんじゃないか。

切り出したのは、私からでした

限界が来たのは、子どもの三者面談の帰り道です。夫と二人で歩いていて、何でもない話をしていたときに、突然「私たち、このままでいいのかな」と口から出ていました。

夫は少し黙ってから、「何かあった?」と聞き返しました。その聞き方で、確信しました。この人も、何か抱えている。

その日の夜、子どもたちが寝てから、リビングで話しました。私は先に自分のことを話しました。順番は迷いましたが、自分から話さないと、この会話は責め合いにしかならないと思ったからです。

夫は最後まで黙って聞いていました。そして、自分のことも話しました。相手は職場の人で、半年ほど。私より短かったけれど、そういう問題ではないことは二人とも分かっていました。

「おあいこ」では終わらなかった

正直に言えば、私はどこかで「これでチャラになる」と期待していました。お互い様なんだから、責め合わずに済む、と。

でも、そうはなりませんでした。

事実を突き合わせた後に来たのは、安堵ではなく、深い虚しさでした。私たちは同じ屋根の下で、それぞれ別の場所に心の逃げ場を作っていた。そのことが、夫婦としてどれだけ終わっていたかを突きつけてきました。

「なんで私に言わなかったの」と聞きたくなって、でも自分も言っていないと気づいて、飲み込む。そんなやり取りを何度も繰り返しました。

離婚ではなく、やり直すことを選んだ理由

結果として、私たちは離婚しませんでした。

子どものため、というのももちろんあります。でも一番大きかったのは、「相手を責められない状態」が、かえって冷静な話し合いを可能にしたことだと思います。

どちらかが一方的に悪い状況だったら、謝罪と赦しの構図になっていたはずです。でも私たちは、対等に落ち度がありました。だから「どちらが悪いか」ではなく、「なぜこうなったのか」を話すしかなかったのです。

会話がなくなっていたこと、寝室を分けてから何年も経っていたこと、お互いに「もう分かり合えない」と勝手に諦めていたこと。そういう話を、結婚して15年で初めてしました。

それぞれの関係を終わらせるまで

関係を清算するのは、想像よりずっと事務的でした。私は相手に「夫にすべて話した」とだけ伝えて、連絡先を消しました。相手からは短い返信が一つ来て、それきりです。

あれだけ大きな存在だった人が、こんなにあっさり日常から消えることに、しばらく実感が湧きませんでした。

夫の方も同じように終わらせたと言っています。確かめる方法はありません。でも今は、確かめないことにしています。疑いながら生きるのは、隠しながら生きるのと同じくらい消耗すると、この1年で分かったからです。

1年経った今、思うこと

夫婦仲が完全に戻ったかというと、正直まだです。以前より会話は増えましたが、心のどこかに触れられない部分は残っています。

それでも、嘘をつかなくていい生活は、思っていた以上に楽でした。スマホを裏返して置く癖がなくなり、休日に予定を聞かれても身構えなくなりました。

もし今、同じ状況の方がこれを読んでいたら、伝えたいことが一つあります。相手を責められないことは、必ずしも不幸ではありません。責める資格がないからこそ、私たちは初めて対等に話せました。皮肉な話ですが、それが再出発の入り口になりました。

編集部解説:双方に不貞がある場合、何が変わるのか

あやのさんのように、夫婦の双方に婚外の関係があるケースは決して珍しくありません。編集部にも同種の相談は届いています。感情面と法的な面の両方で、片方だけの場合とは事情が変わります。

感情面:責める構図が成立しない

通常の発覚では「裏切った側」と「裏切られた側」が明確に分かれ、謝罪と赦しのプロセスをたどります。双方に事実がある場合、この構図が成立しません。それは救いにも見えますが、実際には感情の行き場がなくなる苦しさを伴います。あやのさんが「泣けなかった」と語るのは、その典型です。

法的な面:慰謝料は相殺される傾向がある

夫婦の双方に不貞行為がある場合、互いに慰謝料請求権が発生し得ますが、実務上は双方の責任の程度を比較して減額されたり、実質的に相殺されたりすることが一般的です。「相手にだけ請求できる」と考えるのは現実的ではありません。また、双方が有責配偶者となるため、離婚請求そのものが認められにくくなる場合もあります。

再構築に進むケースが比較的多い

編集部に寄せられる声を見る限り、双方に不貞があった夫婦は、片方だけの場合より離婚に至りにくい傾向があります。責任の押し付け合いにならず、関係の構造的な問題に向き合いやすいためだと考えられます。ただしこれは「傷が浅い」という意味ではありません。信頼の回復には、片方だけの場合と同じかそれ以上の時間がかかります。

よくある質問

Q. 自分も婚外恋愛をしています。配偶者の不倫に気づいたら、問い詰めていいのでしょうか。

問い詰めること自体は可能ですが、多くの場合そこから自分の話に及びます。問い詰める前に、「自分のことを話す覚悟があるか」を先に決めておいてください。相手だけを追及して自分は隠し通す形は、露見したときに一気に不利になります。

Q. 自分から先に打ち明けるべきですか。

あやのさんは先に話す選択をし、それが対等な話し合いにつながりました。ただしこれは万能ではありません。離婚を考えている場合は、先に打ち明けることで条件交渉が不利になる可能性があります。関係を続けたいのか清算したいのかで、最適な順序は変わります。判断が難しい場合は、行動する前に弁護士へ相談してください。

Q. お互い様なら、慰謝料の問題は起きませんか。

起きないとは限りません。不貞の期間や回数、婚姻関係が壊れた主たる原因がどちらにあるかによって、金額に差が出ることはあります。「双方に事実があるから何も起きない」と自己判断せず、金銭が絡む段階では専門家に確認するのが安全です。

Q. 相手の不倫を知りながら、自分の関係を続けてもいいのでしょうか。

制度上止める人はいませんが、この状態は精神的な消耗が非常に大きくなります。お互いに知っていて触れない生活は、緊張が慢性化し、些細なことで一気に崩れます。どこかで一度、事実を突き合わせる場を持つことを検討してみてください。

まとめ

自分も隠し事を抱えたまま、配偶者の不倫を知る。誰にも相談できず、怒ることすら許されないように感じる——そんな状況は、想像以上に多くの人が経験しています。

あやのさんの記録が示しているのは、「責められない」という状態が、かえって本当の対話の入り口になり得るということです。もちろん、すべての夫婦が同じ結末を迎えるわけではありません。離婚を選ぶ人もいます。

大切なのは、宙ぶらりんの状態を長く続けないことです。知りながら黙っている時間は、隠している時間と同じだけ、心をすり減らしていきます。

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参考にした情報源

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ハナ

ハナ|編集長

42歳・既婚・歯科クリニックパート受付

セックスレス3年、会話の少ない夫婦生活の中で「このまま女として終わっていくのかな」と感じた夜に婚外恋愛の世界へ。自身の1年間のリアルな経験をもとに、同じ思いを抱える方へ寄り添う記事を届けます。

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